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INTERVIEW vol.03 三澤真也さん

三島エリアコーディネーター
三澤真也さん

「地域の課題にアートの力で向き合うこと」

三島エリアのコーディネーターを勤める三澤さんは、ご自身もさまざまなアート活動を展開するアーティストのひとり。
4年前に木工指導員として初めて町を訪れたのが、三島町との出会いとなりました。

「三島町は面積の8割から9割が山という、文字通りの山村です。
狩猟文化もまだ残っているし、ほとんど自給自足のような生活ぶりに、最初は驚くことばかりでした。
でも一方で、それはすごく人間らしいなと感じたんです。
山の物をどう食べるかに始まり、山の素材を使って生活の道具を作ったり、とにかく生活力がすごいんですよね。
その点も含めて豊かなところだなと思っています」

川沿いに拓けた町には風光明美な景色が数多く残り、「日本で最も美しい村連合」にも加盟する三島町。
しかし、一方で福島県内でも有数の豪雪地帯にあり、さらには限界集落という問題にも直面しています。
若者もいない、余裕もない、でも連綿と受け継がれてきた文化や生活の知恵は豊富にある。
三澤さんたちはそんな暮らしの中からアートに繋がる題材を見つけようとしたのです。

「三島エリアのプログラムの特徴のひとつは、地域の課題にアートを絡めたことです。
そのため、地域の人たちときちんと向き合って、その想いをアーティストに伝えるところから始まりました。
アートを媒介にして、地域の問題を改めて考えてみようというのが狙いです」

例えば高齢化によって古くからの食文化が廃れようとしている。
また一方では森の中に住んでいるがため、外の文化に触れる機会の少ない子供たちがいる。
どれも地域ではなかなか解決できない問題ですが、アートの力を借りることがひとつの解決策となるかもしれないと、三澤さんは言います。

「そのためには粘土を土から作ったり、電気も自然エネルギーから作ったりととにかく手間暇かけていますね。
地域の人々とも何度も話し合いをして、妥協せずに進めています。
外部から来ていただく方はまだまだ少ないですが、それでもやる意味があると感じています」

5つのプログラムは、町が深い雪に包まれるこれからの季節が本番。
さまざまな展示や発表会といったイベントが目白押しとなっています。

「編み組細工やトチ餅作りなどの衣食住の文化には、雪深い土地で我慢強く生きてきた土地の人の人間性が表れています。
それは僕自身が外から来て感じたことでもありますし、今回のプログラムを体験していただいた方にもきっと伝わることだと思っています。
でも、三島町にはこういった文化を繋いでいく次の世代がいない。
なんとか残していくためには、外の地域とこの土地、そして世代と世代を繋ぐ何かを作らなければと思っています。
そこの視点はブレないように、これからも続けていきたいですね」

三島エリアコーディネーター

三澤 真也

1979年5月23日、長野県諏訪市生まれ。
長野県立諏訪清陵高校卒、武蔵野美術大学造形表現学部映像学科卒。大学卒業後20代は絵画、映像、パフォーマンスを中心にアート活動を展開。国内外でパフォーマンスアートフェスティバルに多数参加。アート活動の傍ら2年ほど国内外を放浪。その後飛騨高山にある「森林たくみ塾」にて2年間の木工修行を経て、三島町生活工芸館の木工指導員として勤務。現在同三島町にあるNPOわくわく奥会津.COMに勤務しながら、復興アートプロジェクト「森のはこ舟アートプロジェクト」に三島町エリアコーディネーターとして参加。

2014.12.16

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