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「幻のレストラン」食文化リサーチ “えごねり”

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会津では、西会津町と喜多方市の西側、また、三島町でも西会津寄りの地域で主に今も食べられている「えご」。
エゴ草は高級食材で、特別の日に食べられることが多いものです。
この「幻のレストラン」プロジェクトは、西方街道と食文化を通じて山と海のつながりについて考えるというコンセプトで立ち上がったのですが、その発想の原点となったのも、この「えご」の存在なのです。

なぜこの山奥の一部の地域で海藻料理が特別な料理として伝統的に食されているのか?
まだ明確な説が見当たらないのですが、やはり海との距離などが大きく影響をしているのだとは思います。

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我々は、「えご」をより深く知るために自分たちで料理してみようと、西会津の方に教えてもらって試作しながら、いろいろな食べ方を試してみました!

まず、「えご」の作り方から。

1.えご草を10〜15分くらい水につけます。やわらかくなったらゴミを取りながら水で洗います。

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2.えご草の水をきり、えご草の20倍程度の量の水を鍋に入れ、火にかける。

3.えご草を鍋に入れ、一度煮沸させる。

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4.えご草をほぐしながら煮る。繊維がとけてきたら、木べらでよくかき混ぜながら40分ほど練る。

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5.煮ている最中に浮いてきたゴミを取る。

6.木べらで持ち上げた時にぼたぼた落ちるほどによく煮えたら、容器に入れ、荒熱をとったら冷蔵庫に入れてよく冷やす。

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7.冷え固まったら、お好きな大きさに切り分けて食べる。
 生姜醤油、わさび醤油、からし味噌、酢味噌などをつけて食べる。

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この「えご」という料理は、海藻の風味とざらっとした食感のある、味もなんとも言葉に表せず、美味しいのか、美味しくないのかもよくわかならいという意見が多い不思議な食べ物です。

ですが、伝統的にずっと食されてきていて、このあたりでの冠婚葬祭にはつきものの郷土料理なのです。
リサーチメンバーは、この「えご」の食べ方やアレンジに開発の可能性があると感じ、いろいろな食べ方を試してみました。

まずは、「えごのくずもち風」です。米糠を煎ったものに黒蜜をかけてみました。

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まず、米糠がこんなに甘いのかと、メンバー全員が驚いていました。
そして、海藻の風味が米糠と黒蜜の甘みと合わさった時にも、全く違和感がなく、和菓子のような美味しさでした。

そのほか、「えご」が山の刺身のようだ、という意見から、薄切りにしてお造りのようにして食べてみたり、にぎり寿司や巻寿司にしたり、オリーブオイルをかけてカルパッチョ風なども試してみました。

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これまで、郷土料理というぐらいにした捉えていなかった「えご」ですが、今回のリサーチを通じて、乾燥した海藻だからこそ山の中でも保存食として重宝されていたのだろうということや、その海を感じる風味と食感なども、海と山の距離感が現代ほどに近くない頃には、山に暮らす人々が海を想像したり、別世界に思いを馳せる食べ物でもあったのではないかということを実感することができました。
また、この郷土食が現代人の中で少しづつ忘れ去られてきてしまっているのも事実であり、今回の様々な新しいアレンジの試作を契機に、次の世代にも繋げていけるストーリーや食べ方を開発していきたいとの思いを強くしたリサーチでした。

(西会津WG 矢部佳宏)

2015.11.20

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